音と法規について
騒音規制法とは
この法律は、工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴って発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行なうとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする。(騒音規制法 第1章 第1条)とある。特定の工場・事業場、特定建設作業、自動車騒音、深夜騒音等とほとんどが屋外での騒音を規制する内容となっている。
環境基本法とは
環境基本法第16条第1項の規定に基づく、騒音に係る環境上の条件について生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準(以下「環境基準」という。)は、別に定めるところによるほか、次のとおりとする。
地域の類型 | 基準 | |
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昼間 | 夜間 | |
AA | 50dB以下 | 40dB以下 |
A及びB | 55dB以下 | 45dB以下 |
C | 60dB以下 | 50dB以下 |
注: |
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労働安全衛生法で規定している騒音値と比べるとかなり低い数値となる。労働安全衛生法は労働環境についての規制であり、環境基本法は生活環境についての規制であることによって差がついている。
消防法と音
オフィスなどで使われるパーティションには天井まで壁が伸びたタイプと欄間部分(天井まで壁作らない箇所)を空けたタイプがあります。音の観点から見ると欄間が空いた箇所は空気の流れが存在するため、音が漏れる心配が大いにあります。ではなぜ欄間部分を空けたパーティションが多いのでしょうか。それは欄間が空いていると、その部屋が個室としてみなされないため、消防機器の設置の必要が無くなることや空調の関係上、欄間部分を空けた方が良い場合などいくつか考えられます。欄間部分が空いていて音漏れを改善したいからと言って勝手に欄間部分を埋めると消防検査などで指摘を受ける場合や法規に抵触する場合があるので注意が必要です。
消防法と防音室
最近、駅の構内などでリモートワーク用の防音室を良く見かけるようになりました。このような公共の場に設置する密閉型の防音室は消防法をクリアするためのハードルがかなり高くなります。まず「外部の音がある程度聞こえないといけない」。防音室なのに外の音が聞こえないといけないという矛盾があるのですが、公共の場に設置する限りは緊急放送などが使用者に聞こえないと設置できないという難点があります。また内装に関しても不燃材が求められる場合やスプリンクラーの水が内部に入らないといけないなど細かい点もあります。このような公共の場における密閉型の防音室の設置には設置する場所を管轄する消防局との協議によって設置可否や仕様が決まるので消防法によって完全に仕様が規定されている訳ではありません。一つ一つの製品についてそれぞれ法規がある訳ではないので、その点ではかなり曖昧な部分が多くなります。
消防法はあくまで公共の場や特定多数、不特定多数が使用する場所に対しての規制なので、逆に公共の場に設置しない個人使用の防音室の場合には一切の法規制はかかりません。ネットで防音室と検索すると個人使用の防音室は数多く出てきますが、ほとんどの製品は公共の場に設置する前提では作られていません。
設置の効果が分かる!