用語集

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吸音

吸音とはある素材に「音」が通過する際に音エネルギーが摩擦による熱エネルギーに変換されて減衰する現象である。

吸音するとどのような効果が得られるかは、イメージし難いところではあるが、例えで言うとトンネルで手を叩くと「パァァァァァァン」という響きが残る、それが吸音されていると「パァン」と響きが少なく聞こえる。これは手を叩いた直接音が少なくなっているのではなく、手を叩いた音がトンネルの壁面に何度も反射した残響が少なくなったことを表している。

数字で解かり易く例えると、幅10mのトンネルで手を叩いた時の直接音の反射回数が34回だとすると、壁面が吸音されていることにより反射回数が10回と少なくなるということだ。音は1秒間に約340m進むので幅10mのトンネルであれば34回反射する、それが吸音されているトンネルでは10回の反射となれば音は1秒間に100mしか進んでいないことになる。この差が吸音によって得られる効果である。

しかし、吸音はすればするほど反射が無くなるため、逆に吸音し過ぎると響きが無い空間になり、人間にとって不快な空間になることもある。無響室のように一切反響音を無くした空間は妙な圧迫感を感じ、長時間居続けるのは難しいだろう。

反響音というのは過度にあれば色々な弊害を及ぼすが、反響音が一切無いというのも問題である。用途や場所にあった反響音であればその空間の居心地が良くなり、人間に良い効果をもたらすだろう。

導入前に吸音パネル
設置の効果が分かる!